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その3、食べ過ぎを避け、脂肪は控えめにする

腹八分目が効果的

ラット(ねずみ) による実験で、満腹まで食べさせたグループと、食事量を60%ほどに制限したグループでは、制限をしたグループのほうが発がん率が低く、長生きだったというデータがあります。
また、米国民のがんに対する各種発がん要因の寄与率を推計した研究結果(ハーバード大学、1996年) によると、喫煙が30%、成人期の食事と肥満が30%となっています。さらに、世界がん研究基金の「がん予防のための提言」では「やせと肥満を避ける。成人期の体重増加を5也未満に抑える」としています。
よって、適正な体重の維持は、生活習慣病予防だけでなく、がん予防にも役立つということがわかります。
一方、いわゆる「中年太り」は自然な増加であるともいわれています。5〜10kg程度の増加は、もっと高齢になったときの貯金として考える事もできますが、それを超えているぶんは体重のコントロールが必要になってくるでしょう。

おいしい物も食べ過ぎないように

食事が高脂肪・高エネルギーの国では一部のがんが多く発生し、とくに問題とされているのが脂肪の量です。従来日本人女性の乳がん発症時期は、閉経前6に対して閉経後4 の割合でしたが、最近では5対5になり、アメリカ人女性の4対6に近づきつつあります。原因は閉経期が遅くなったこともありますが、動物性脂肪のとり過ぎが考えられます。
また、脂肪は大腸がん、前立腺がんなどの発生にも関連があることが指摘されています。世界がん研究基金による「がん予防のための提言」には、「高脂肪食品(とくに動物性脂肪) を避け、適量の植物油を使う」とあります。動物性食品に多く含まれる脂肪の過剰摂取は、さまざまながんの危険因子とされています。しかも、免疫細胞の働きを抑制し、発がんを誘発するともいわれています。
脂肪を多くとり過ぎると体重もオーバーしやすいので、適正な体重を維持するためにも注意しましょう。
一方、魚の脂肪成分であるDHA(ドコサヘキサエン酸) やIPA (イコサペンタエン酸、EPAとも) にはがんを抑える働きがあります。
肉や油脂を一切口にしないような極端なことをする必要はなく、とり過ぎにならない程度に食べましょう。

その2、毎日変化の食生活

ワンパターンにならないように変化のある食生活を

だれにでも特定の食品に対して好き嫌いがあるので、どうしても好きなものを多めに、あるいはくり返し食べる傾向があります。問題なのは度が過ぎてワンパターンな食事内容になってしまうことです。
食品中の発がん物質の濃度は一般的に低いのですが、同じ食品ばかり食べているとリスクが高まってしまいます。たとえば牧場で大量にわらびを食べた牛に、勝胱がんが発生して問題になりました。わらびは微量の発がん物質を含んでいますが、少量を時々食べるぐらいでは心配ありません。
しかし、毎日たくさんの量を食べ続けるのは避けたほうがよいでしょう。逆に、にんじんにはがん予防効果が高いとされるβカロテンなどのカロテン類が多いからといって、にんじん中心の食事にするのではなく、それ以外の緑黄色野菜からもカロテン類をとることが望ましいのです。
ほかの緑黄色野菜から、カロテン類以外の発がんを抑制する成分や健康増進に貢献する成分を得ることができ、それぞれの成分による体内での相乗効果も期待できるからです。
つまり、さまざまな食品を取り入れて変化に富んだ食事にすれば、同じ発がん物質を食べてしまう機会や量が減り、リスクが下がります。また、さまざまな栄養素を補給することもできるので、自然に栄養のバランスが取りやすくなります。食品やメニューに変化をもたせて、品数の豊富な食生活を心がけましょう。

食事を回転させてみる

毎日変化のある食事をするコツのひとつに「回転食」という食べ方があります。朝がハムエッグなら昼は豚肉のしょうが焼き、夕食はお刺身、というようにし、3日~1 週間以上のローテーションで同じメニューが重ならないようにする方法です。家庭で前日の残りを食べることはよくあることですが、まったく同じメニューにするのではなく、残り物に1〜2品を加えて同じ食品が重ならないようにするのがおすすめです。必然的に多品目を食べることになり、リスクを分散させることができるようになります。

その1、バランスのとれた栄養

ガン予防の第一歩は食事

世界各地の疫学(実際に起こつている病気や健康に関する事象を統計的に検討する)研究の結果、がんは国や地域によって多い種類と少ない種類との偏りが見られることが明らかになりました。
この格差の原因を追及した結果、ごく一部の地域を除いて、食生活が大きく問わっていることがわかってきたのです。さらに、国や地域によって起こる違いは人種の違いによるものではなく、食生活が影響していることを示すデータも出てきました。そこで世界がん研究基金と米国がん研究機問が、がん予防と生活習慣、とくに食生活について、世界中の研究をまとめ、報告書を作成しました。
その報告書は、食品や生活習慣と発がんとのリスクの関係を「確実」「おそらく確実」「可能性がある」の3段階に分けています。つまり、がん予防については「よい」「悪い」のふたつだけに分かれるのではなく、段階的な評価がされているのが現状なのです。その報告書によると、「確実」「おそらく確実」に発がんのリスクを低下させるものとして「野菜」「果物」があります。ほかに「食事からのカロテン類」「食事からのビタミンC」も一部のがんについて予防効果が認められています。
わざわざ「食事から」と書いてあるのは、通常の食事量の野菜や果物からとる程度の量という意味で、「サプリメントによって大量にとった場合は除く」ことを意味しています。

青食は要注意、 彩り豊かな食事がよい

調査や動物実験でわかってきました。日々食べている食品のなかには、がんを引
き起こす物質、がんを抑える物質の両方が含まれていることが明らかになっています。それらの成分や働きのすべては解明されていませんが、体内で複雑に作用しあって発がんを抑える効果をもたらしているのです。ですから、偏食や加工食品の食べ過ぎは栄養のアンバランスを招くだけでなく、発がんのリスクを高めてしまう原因になります。しかも現代的な食生活では野菜や果物が不足しがちです。いろいろな食品をとることで健康を増進し、がんを抑える働きをより高めましょう。