乳ガン」タグアーカイブ

リュープリン(一般名:酢酸リュープリン)

ノルバデックスと併用するLH-RH拮抗薬

製造・販売元
武田薬品工業
対象患者
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 閉経前乳ガン
  • 中枢性思春期早発症
  • 前立腺ガン
用法
皮下注射
有効率
77.8%(子宮内膜症)、83.5%(子宮筋腫)、37.0%(閉経前乳ガン)、90.2%(中枢性思春期早発症)、53.9%(前立腺ガン)
副作用
  • 間質性肺炎
  • アナフィラキー様症状
  • うつ症状
  • 尿路閉塞など
56,785円
テキスト
禁忌
リュープリンの成分または、合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して過敏症の既往歴がある。妊婦または妊娠の可能性がある。診断のつかない異常性器出血。

リュープリンの紹介

リュープリンは、閉経前乳ガンと前立腺ガンの治療に主に使われています。「LH-RH」というホルモン括抗薬の1つです。28日から30日に1回、腹部のへそから2cmくらいはなれたところに、左右両側に1回ずつ、交互に皮下注射して投与します。通常は3.75ミリグラム注射をします。

他の薬と併用されることが多い

リュープリンは「LH-RH 」というホルモンを止めるため、まれにうつ状態になったり、女性では生理が止まったり、男性では男性らしさが少なくなっていくという副作用があります。若い方では、乳ガンの患者さんに単独、もしくはノルバデックスというホルモン剤と併用してさらにホルモン療法として強く行う場合に用いられます。
前立腺ガンでは、ホンバンという薬を使います。
リュープリンはこの薬だけでは非常に副作用が少ない薬のひとつですので、ほかの薬と一緒に使われます。

子宮内膜症にも使われる

ガンではありませんが、女性で生理のときに腹痛がおきる子宮内膜症という疾患があります。そのときにも、子宮内膜の増殖を止められたり、生理のときの出血や腹痛が軽減できたりすることから、リュープリンが使われることがあります。

白血病やリンパ腫、小児の悪性腫瘍などで抗がん剤を投与しているときに血小板減少があると、若い女性で生理がある場合、出血が止まらない危険があります。そのようなときに、リュープリンを使って生理を止めることがあります。

移植のあとや、強力な抗ガン剤の使用中にリュープリンを使っている人のほうが、抗ガン剤の治療が終わったあとで卵巣機能の回復が早いということが、外国で証明されて報告されました。

抗ガン剤の使用中に月1回皮下注射すると、女性の場合卵巣機能が非常に早く元に戻って不妊症が少ないということから、不妊症を予防するという意味で使うケースが最近では多くなってきました。また最近では、エイズであらわれるにくしゆカポジ肉腫に対してリュープリンを投与すると、カポジ肉腫が小さくなることが分かりました。
抗腫瘍効果が新しく注目されて使われるようになってきています。
投与中の日常生活
入浴や食事、運動、車の運転、飲酒、きつえん喫煙などには、とくに気をつけることはありません。ただし女性では無月経、男性ではインポテンツなどがおきることがありますので、そのことを十分に理解しましょう。

フェアストン(一般名:クエン酸トレミフェン)

閉経後の乳ガンのホルモン剤ル

製造・販売元
日本化薬株式会社
対象患者
  • 閉経後乳ガン
  • 錠剤を服用
用法
テキスト
有効率
28.6%(40mg)、12.3%(120mg)
副作用
  • ALT(GPT)上昇
  • テキスト
  • AST(GOT)上昇
  • トリグリセライド上昇
  • LDH上昇
  • コレステロール上昇
  • γ-GTP上昇
  • 白血球減少
  • など

コスト
573,7円
禁忌
妊婦または妊娠している可能性がある

フェアストンの紹介

フェアストンは、閉経後の乳ガンのに対して用いられるホルモン療法のひとつ。

再発予防のために長期間服用する

フェアストンだけで抗ガン作用があるわけではなく、閉経後乳ガンの患者さんが、手術のあとで再発を予防するために長い問服用する薬です。ほかの抗ガン剤をいっしょに服用する場合もあります。

フェアストンは非常に弱い薬ですので、とくに副作用がないことがフェアストンの長所です。一方で、そのような弱い薬ですので、2年から5年といった長期問にわたって服用しなければ、服用しない方に対して有意差が出ることはありません。
これはノルバデックスなど、ほかのホルモン剤と同様です。フェアストンのような薬は、ホルモン療法剤としていくつか必要ですので、この薬は今後も使われていくことになると思います。

投与中の日常生活

入浴についてはとくに気をつけることはありません。フェアストンを投与されていますと、食欲が出たり、食べ物の吸収が良くなったりします。そのため中性脂肪やコレステロールが上昇することがあります。また同じことが原因で、γ-GTPが上昇して脂肪肝になったり、AST(GOT) やALT(GPT)が上昇することもありますので食事摂取量に注意しましょう。
運動はむしろしてもらったほうが、脂肪肝を防ぐために予防的な意味があります。
車の運転は問題ありません。飲酒については少しひかえないと、脂肪肝が強く出ることがあります。

ヒスロンH(一般名:酢酸メロキシプロゲステロン)

最も多く使われているホルモン製剤の1つ

製造・販売元
ファルマシア株式会社
対象患者
  • 乳ガン
  • 子宮体ガン(内膜ガン)
用法
錠剤を服用する。
有効率
33.2%(乳ガン)、23.6%(子宮体ガン)
副作用
  • 血栓症(脳梗塞、心筋梗塞、肺塞症、腸間膜血栓症、網膜血栓症、血栓性静脈炎など)
コスト
386,1円
禁忌
手術後1週間以内。脳梗塞や血栓静脈炎などの血栓疾患、または既往歴がある。心臓弁膜症・心房細胞・心内膜炎・重篤な心不全の心疾患がある。ホルモン剤を投与されている。妊婦または、妊娠の可能性のある。ヒスロンHに対して過敏症がある。診断未確定の性器出血、乳房病変のある患者。重篤な肝障害がある。

薬剤名の紹介

ヒスロンHは、乳ガンや子宮ガンのホルモン療法として非常によく使われている薬です。

転移予防もしくは再発予防に使われる

まれに投与中に体重が増えて脂肪肝になったり、血液が増えて多血症になたりして、血栓症をおこすことがあります。血栓性静脈炎や、女性のピルを服用したときに認められるような副作用がありますので注意が必要です。

あまりに脂肪肝が強くなったり、体重が増えたり、血栓症が多い場合には、この薬の使用を中止します。

ヒスロンHは主に、単独で転移予防もしくは手術後の再発予防に使われます。一般的には2年から5年以上、長期にわたって投与することが多いようです。最近ではヒスロンHのほかに、種々の酵素阻害剤を併用する場合があります。

投与中の日常生活

食物に関する制限はありません。ただし、一般にホルモン療法を行っているときには食欲がでます。また、食欲がでない場合でも、栄養の吸収が20~30% よくなり、体重が増えます。したがって、カロリーを制限し、食事量を減らしたほうがよいでしょう。
まれにコレステロールが高くなることがあるので、食事療法が必要になります。脂肪がつきやすくなるので、できるだけ運動したほうがよいでしょう。日光、喫煙・飲酒に関する制限はありません。

ノルバデックス(一般名:クエン酸タキモキシフェン)

世界で最も使われているホルモン剤の1つ

製造・販売元
アストラゼネカ株式会社
対象患者
乳ガン
用法
錠剤を服用
有効率
26.4%(再発率減少)、14.5%(死亡率減少)、43.9%(進行・再発乳ガン)
副作用
  • 無月経
  • 月経異常
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 食欲不振
928,4円
テキスト
禁忌
妊婦または、妊娠している可能性がある。ノルバッデクスの成分に対して過敏症の既往歴がある。

薬剤名の紹介

ノルバデックスは、世界で最も使われている、乳ガン対するホルモン療法剤の1つです。注射するときに、「LH・RH」というホルモンを抑制する、「LH・RHアゴニスト」という薬をいっしょに使うことがあります。

錠剤を長期間にわたって服用する

錠剤を5年以上服用することで、再発率が低下することが証明されている薬の1つです。アリミデックスとくらべると、5年間服用した場合の成績では五% ほど低くなっていますが、10年以上にわたり成績が出ている薬としてはノルバデックスしかありませんので、まだ長期にわたって使われています。一方で、卵巣がんや子宮がんの率が高くなることがあります。
患者さんによっては長く投与していますと、5年たちましたからやめましょうといったときに、不安になってやめられないという方がおられます。ただしつづけたからといって、10年後の再発率が低下するという証拠はまだありません。

もっと長期に使う利点があるかどうかについては、もう少ししないとまだ分かりません。おそらく2~3年以内に、10年間での再発率が出ることになるでしょう。

長く投与していると、無月経や月経異常のために更年期障害のような症状がでることがあります。副作用としては、食欲不振や悪心などもあります。

逆に食欲が出たり、脂肪肝になってしまう場合もありますので、生活習慣病の率が高くなることがあります。そのあたりのこともよく理解していただいたうえで、長期間の服用を勧めることになります。世界中で乳ガンは現在、どんどんふえています。それに応じてノルバデックスも将来的に使われていくことになるでしょう。

投与中の日常生活

入浴については、とくに気をつけることはありません。食事については症状によりますが、悪心、嘔吐、食欲不振がない方では、食欲がかえって増して、太る場合があります。脂肪肝になることがありますので、できるだけ運動するようにしましょう。車の運転では、とくに気をつけることはありません。吸収が良くなっているので、多く飲酒すると脂肪肝が強く出ることがあります。

ゾラデックス(一般名:酢酸ゴセレリン)

男性にも女性にも代表的なホルモン療法剤

製造・販売元
アストラゼネカ株式会社
対象患者
  • 前立腺ガン
  • 閉経前乳ガン
用法
皮下投与する
有効率
71%(前立腺ガン)、32.1%(閉経前の進行・再発ガン)
副作用
  • 顔面紅潮
  • 注射部位の局所反応
  • 性欲減退
  • 勃起力低下
  • 浮腫
  • 発汗
  • 乳房膨張
  • 圧痛
  • AST(GOT)上昇、GPT上昇
  • GPT上昇
  • LDH上昇
  • ALP上昇
  • トリグリセライド上昇
  • コレステロール上昇
  • ほてり
  • めまい
  • 肩こり
  • コスト
    55,635円
    禁忌
    • 妊婦または妊娠の可能性がある
    • ゾラッデクスの成分またはLH-RH作動薬に対して過敏症の既往歴がある

    ゾラッデクスの紹介

    ゾラデックスは、前立腺ガンとhH閉経前乳ガンにホルモン療法として使われる代表的な薬です。

    へその横のあたりに皮下注射する

    ゾラデックスは経口薬では効きませんので、皮下に注射をして投与します。一般には4週間から30日に1回、腹部のへその横あたりに皮下注射をします。これをつづけますと、前立腺がんではおよそ70% 、再発乳がんや進行期の乳がんでは閉経前であれば30%前後に有効性があります。

    ゾラデックスは視床下部から刺激をされて下垂体から出ている「LH-RH」というホルモンに対して作用します。そのためホルモン系統のバランスが悪くなりますので、ほてりや頭重感、めまい、肩こりといった、いわゆる更年期障害のような症状が副作用として出ます。

    ゾラデックスを投与しているとそのほかに、少し体重がふえたり、肝障害しぼうが出ることがあります。中性脂肪や脂肪などの吸収が良くなって、この二つじょ、つしょ、つの値が上昇してくる場合があります。かんぞうまた肝臓にも脂肪がついて脂肪肝になることがあります。体重が増えすぎないように気をつける必要があります。へいようほかのホルモン療法剤を併用する場合があります。前立腺ガン閉経後乳ガン2つのがんに対して、有効性がきちんと示されていますので、今後も使われていくと思います。

    投与中の日常生活

    ゾラデックスを投与中は、妊娠することはできません。ホルモンのバランを故意に制御していますので、更年期障害などの症状がでることを重要視する必要があるでしょう。アリミデックスと同様に、投与しはじめたころに軽い吐き気がありますが、その後は吸収がよくなったり、肥満や肝障害が出る場合があります。

    食事の量や飲酒量を急にふやしたりしないように気をつけたほうが無難です。運動はむしろしていただいたほうがいい場合が多いようです。日光や喫煙、運転などではとくに気をつける必要はありません。

    アリミデックス(一般名:アナストロゾール)

    経口薬で再発率の低下を示した

    製造・販売元
    アストラゼネカ株式会社
    対象患者
    閉経後乳ガン
    用法
    錠剤を服用する
    有効率
    33.33%
    副作用
    • ほてり
    • 吐き気
    • 脱毛など
    コスト
    662,6円
    禁忌
    • 妊婦または、妊娠の可能性がある
    • 過敏症の既往歴がある

    アリミデックス紹介

    アリミデックスは閉経後乳ガンに最もよく使われる薬です。ノルバデックススを使った代表的なホルモン療法と比較すると、5年間で有意な差が出たということで有名になった薬です。

    経口薬で長期に投与できる

    経口薬であること、長期に投与できるということがアリミデックスの利点です。投与をはじめたばかりのころに、ほてりや吐き気が多少みられる点をのぞくと、比較的安全に長く使うことができる薬です。

    アリミデックスは閉経後乳ガンの薬ですので、妊娠している方や若い方には、使いにくい薬です。残念ながらアリミデックスはまだ、この薬単独での成績しか報告されていません。

    ホルモン剤や抗ガン剤と併用した場合に、はたして効果が増強されるかどうかについては、成績がまだ出ていません。現在は単独で使うことが原則になっています。乳ガンの術後に再発を予防する場合、投与していない方にくらべると投与していた方が、5%以上再発が少なくなること、そしてそれがノルバデックスを使った代表的なホルモン療法よりも優れていることが最近報告されました。

    投与中の日常生活

    投与しはじめたころに軽い吐き気がありますが、その後は一般に吸収がよくなったり、肥満や肝障害が出る場合があります。食事の量や飲酒量を急にふやしたりしないように気をつけたほうが無難です。運動はむしろしていただいたほうが良い場合が多いようです。日光や喫煙、運転などではとくに気をつける必要はありません。

    フルツロン(一般名:ドキシフルリジン)

    消化器ガン、乳ガンの経口治療薬

    製造・販売元
    日本ロシュ株式会社
    対象患者
    • 胃ガン
    • 結腸・直腸ガン
    • 乳ガン
    • 子宮頸ガン
    • 膀胱ガン
    用法
    カプセルを服用
    有効率
    14.3%(胃ガン)、39.5%(乳ガン)、29.6%(膀胱ガン)など
    副作用
    • 下痢
    • 白血球減少
    • 食欲不振
    コスト
    726.6円
    禁忌
    • フルツロンの成分に対し、重篤な過敏症の既往歴がある
    • テガール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤が投与中、中止後に7日以内

    フルツロンの紹介

    フルツロンは胃ガンや大腸ガン、乳ガン、子宮頚ガンなどで治療を希望する患者さんに最も多く使われている薬の1つです。とくに外科医が術後に、1日3~4回に分けて投与する例が非常に多い薬の1つです。

    通院治療で処方が可能

    フルツロンは副作用が非常に軽いということで、通院治療で処方できるということが利点の1つです。短所はとくにありません。一般にはフルツロンだけでは、10数% から30% くらいの有効率です。

    乳ガンではエンドキサンを併用したり、大腸ガンや直腸ガンではカンプトなど、ほかの薬をいっしょに投与する場合があります。

    フルツロンも含めて、5-FUの系列のきそ薬はすべて、治療の基礎となる薬の1つです。

    一般には今後、併用療法がどんどん広げられていくことが考えられます。下痢や食欲不振があまり強い場合には、フルツロンを投与することができません。しかし一時的に中止したり、投与する量を減量するとまた症状が軽くなります。
    そのため長く使用することができます。フルツロンは配合剤からできています。それは5-FU単独にくらべるとフルツロンの利点となるのですが、逆に配合されている薬のうち、どれかにアレルギーがあると使えないという場合があります。

    投与中の日常生活

    入浴や車の運転、喫煙にはとくに気をつける必要はありません。食事については、フルツロンを投与しはじめたころに軽い吐き気などがあるようであれば、食欲の出るようなものに切り替えたり、また飲酒をひかえたりする必要があります。
    日光は手足症候群が出たかどうかで、ひかえるかどうかを決めたほうが良いと思います。

    ファルモルビシン(一般名:塩酸エビルビシン)

    老人にも使用可能な協力な薬剤

    製造・販売元
    協和発酵工業株式会社
    対象患者
    • 急性白血病
    • 悪性リンパ腫
    • 乳ガン
    • 卵巣ガン
    • 胃ガン
    • 肝ガン
    • 尿路上皮ガン
    用法
    静脈内にゆっくり点滴注射する。肝ガンの場合には、肝動脈内に点滴注射する。膀胱ガンの場合は膀胱腔内に注入する。
    有効率
    23.5%(急性白血病)、64.3%(悪性リンパ腫)、38.6%(乳ガン)、58.4%(表在性膀胱ガン)など
    副作用
    • 悪心
    • 嘔吐
    • 白血球減少
    • 食欲不振
    • 脱毛
    • テキスト
    • 膀胱腔内注入では頻尿、排尿痛などの局所刺激症状

    コスト
    7,591円
    禁忌
    心機能異常またはその既往歴のある患者。ファルモルビシンに対して重篤な過敏症の既往歴のある患者。他のアントラサイクリン系薬などの心毒性を有する薬剤による治療が限界量に達している患者。

    ファルモルビシンの紹介

    ファルモルビシンは、アドリアシンの類似薬ということで開発されましたが、副作用のうちの心毒性が弱いということで選ばれる場合が多いようです。とくに老人例での白血病や悪性リンパ種によく使われています。

    心毒性の危険が強い人に使われる

    欧米、とくにヨーロッパでは乳ガンに対して、エンドキサン、アドリアシン、5-FUという薬を組み合わせた治療のほかに、心臓に毒性が少ないという理由から、むしろエンドキサン、ファルモルビシン、5-FUといった薬を使う「CEF療法」がよく行われています。

    日本では残念ながら、投与量の一部までしか保険が適用されないために、まだ、普及が十分ではありません。血液系の腫瘍では、心毒性の危険がある人に、ファルモルビシンが使われています。アドリアシンと同じように、点滴のときに血管から漏れますと、強い静脈炎をおこしますので投与中に注意が必要です。

    肝臓ガン、膀胱ガンなどで、肝動脈内や膀胱腔内に注入する場合には、時間をかけて行います。30分から60分程度時間をかけます。

    静脈内に点滴注射をする場合には、ゆっくり時間をかけながらワンショットで投与をするか、もしくは30分程度時間をかけて点滴をする場合が多いです。最近、24時間かけてゆっくり投与するというような方法も考えられましたが、まだ一般的ではありません。長くかけたほうが副作用が少なく、吐き気が少ないという特徴があります。

    与中の日常生活

    白血球減少がある場合には入浴をひかえ、シャワーだけにしましょう。食事は、生野菜などの細菌がついている可能性があるものや、納豆、ヨーグルトといった菌が含まれているものは避け、加熱したものを食べましょう。

    膀胱内にファルモルビシンを投与したときには、膀胱刺激があるので、人浴や運転、運動などをひかえましょう。。喫煙・飲酒に関する制限はありません。ただし、食欲不振が強い場合には飲酒をひかえましょう。

    ノバントロン(一般名:塩酸ミトオキサントロン)

    ドキソルビシン抵抗例にも使用可能

    製造・販売元
    武田薬品工業株式会社
    対象患者
    • 急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)
    • 悪性リンパ腫
    • 乳ガン
    • 肝細胞ガン
    用法
    静脈内にゆっくり投与
    有効率
    45%(急性白血病の単独療法)、40%(悪性リンパ腫の単独療法)、25%(乳ガンの単独療法)、15%(肝細胞ガンの単独療法)
    副作用
    • 白血球減少
    • 血小板減少
    • 血色素減少
    • 悪心・嘔吐
    • 食欲不振
    • うっ血性心不全
    コスト
    52,0601円
    禁忌
    • 心機能異常またはその既往歴のある患者
    • ノバントロンの成分に対し、重篤な過敏症の既往歴のある患者

    ノバントロンの紹介

    ノバントロンは、急性白血病でイダルビシンやダウノルビシン、リンパ腫でアドリアシン、乳ガンでファルモルビシンやアドリアシンを使用したあとに再発した方、もしくはそれらの薬にアレルギーがある方に第一選択薬として使われている強力な薬の1つです。肝細胞ガン対しては、一般に使われることが少なくなってきました。現在は、リンパ腫の治療薬としても注目を浴びてきています。

    非常に強力な薬

    ノバントロンは、投与してから3日以内に白血球減少や血小板減少がおこるという非常に強力な薬です。

    逆にそれが特徴で、入院して治療し、なおかついつ副作用がでるかということがきちんと計算できる薬です。ノバントロンは静脈内にゆっくり投与することが必要です。心毒性が強いので、心臓の弱い方には投与できません。

    また血管内から漏れると、静脈炎を強くおこします。そのとき組織の壊死などがおきますから、気をつけて投与しなければなりません。

    有効率は非常に高く、これまで40% から45%が単独で認められています。併用する薬の代表例としては、キロサイドやエンドキサン、カルボプラチンといった薬があり、併用すると約60% の有効率を誇ります。

    ゆっくり治療すれば外来でもできない治療ではありません。副作用としては、白血球減少と血小板減少が非常に強く出ます。また悪心、嘔吐も強いので、一般にはノバントロンを投与する前に制吐剤(吐き気どめ) を先に投与してから行います。
    うっ血性心不全も出ることがありますので注意が必要です。心機能異常のある方には使うことはできません。

    投与中の日常生活

    投与中には白血球減少が必ずおきますので、入浴中は控えめにして、清潔を保つためにシャワーなどを頻繁にあびたほうがいいと思います。

    食事については、生ものや火の通っていないものに気をつけましょう。納豆やヨーグルトなどが問題になります。この薬剤を投与中は、飲酒したいという気持ちはおきないと思いますげりが、下痢などがある場合には、飲酒をするとさらにひどくなりますので気をきつえんつけましょう。

    喫煙はとくに気をつける必要はありません。運転もとくに気をつける必要はありねんまくません。皮膚粘膜障害が出る場合がありますので、その場合にはあまり日光を浴びないようにしたほうが良いと思います。

    ナベルビン(一般名:酒石酸ビノレルビン)

    ハーセプチンとの併用で効果大

    製造・販売元
    ピエール・ファーブル・メディカメン
    輸入・発売元
    協和発酵株式会社
    対象患者
    非小細胞ガン
    用法
    静脈内にゆっくり点滴注射する
    有効率
    27.4%
    副作用
    • 赤血球減少
    • 白血球減少
    • 好中球減少などの骨髄機能抑制
    • 間質性肺炎
    • 肺水腫
    • 気管支痙攣
    • 麻痺性イレウス
    コスト
    20,891円
    禁忌
    • 骨髄機能低下の著しい患者
    • 重篤な感染症を合併している患者
    • ナベルビンおよび他のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
    • 髄腔内には投与してはならない

    ナベルビンの紹介

    ナベルビンは現在、非小細胞肺ガン患者に、乳ガン患者に保険適用されています。乳ガンについての臨床試験は、ナベルビン単剤、ハーセプチンという薬の併用によって、非常によい成漬を上げています。

    心臓に負担をかけずに副作用が軽い

    ナベルビンの特徴として、心臓に負担をかけないことや副作用が軽いといったことがあり、広く使われるようになりました。ナベルビンは、肺ガンでは単剤で用いる場合が多いのですが、乳ガンでは、ほかの薬と併用しています。

    ナベルビンの長所は、白血球減少や心毒性が少ないことです。短所は、長まい間投与していると、麻痔性イレウスや神経障害などがおきる場合があることです。静脈内に点滴注射をする場合には、1回の点滴に要する時間はおよそ30分、もしくは一時問と非常に短時間ですみます。

    あるいは点滴ではなく、ワンショット(1回)で静脈注射をして短時間で終わる場合が多いです。毎週もしくは3週間に1度程度の投与を行います。

    禁忌については、髄腔内に投与しないというのが非常に重要な点になっています。ナベルビンではありませんが、類似の薬が髄腔内に投与されますと、完全な下半身麻痔をきたします。そういう意味では、たいへんな神経毒性が出てくる可能性がありますので、注意が必要です。

    投与中の日常生活

    入浴に関する制限はとくにありません。ただし、まれに神経障害がでることがありますので、浴室内で転ばないように注意しましょう。白血球が減少している場合には、入浴を軽くすませるか、シャワーだけにしたほうがよいでしょう。

    食事は、生野菜などの細菌がついている可能性があるものや、納豆・ヨーグルトといった生菌の含まれているものは避け、加熱したものを食べたほうがよいでしょう。また、腸が動きにくくなる麻痔性イレウスという副作用がでることがあるので、食事量はひかえめにし、食べ過ぎに注意しましょう。

    手先がしびれるなどの神経障害がみられることがあり、強い運動や細かい作業は行いにくくなるので、ひかえたほうがよいでしょう。

    ただし、指先の運動をしたほうが神経障害が軽度ですみます。喫煙についてはとくに制限はありません。腸に負担のかかる薬なので、飲酒はひかえたほうがよいでしょう。日光に対する制限は、とくにありません。