月別アーカイブ: 2017年8月

タキソテール(一般名:ドセタキセル水和物)

微少感薬剤の中で最も有望

製造・販売元
アベティンス ファーマ株式会社
対象患者
  • 乳ガン
  • 非小細胞肺ガン
  • テキスト
  • 卵巣ガン
  • 胃ガン
  • 頭頸部ガン
用法
静脈内に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は1時間。
有効率
後期第二相試験にける有効率(47.2%)乳ガン(21.3%)非小細胞肺ガン(23.8%)卵巣ガン(17.1%)胃ガン(20.6%)
副作用
  • 脱毛
  • 食欲不振
  • 全身倦怠感
コスト
79,910円
禁忌
重篤な骨髄抑制がある患者。感染症を合併している患者。発熱を有し、感染症の疑われる患者。タキソテールまたは、ポリソルベート80含有製剤に対して重篤な過敏症の既往歴がある患者。妊婦または妊娠の可能性のある患者。

タキソテールの紹介

タキソテールは、乳ガン、肺ガン、卵巣ガン、胃ガン、頭頸部ガンによく使われています。単剤でも30~40% の有効率があります。

手足のしぶれがでることがあるので注意する

骨髄抑制が非常に軽く、くり返し投与できることが利点です。一方で、長く使っていますと、手足のしびれなど末梢神経障害が出ることがあります。細かいものを触ったりとか、薄いものをめくったりすることや、キーボードを打つと指が痛いといった症状が出ることがあります。

そのほか、全身倦怠感が強くでることもあります。タキソテールは、「ポリソルベート80」という特別な溶剤にとけています。そのため、1000人に1人ほどの人が、それに対するアレルギー、またはタキソテールに対するショックをおこし、血圧が触れなくなったりすることがあります。

それらの症状を一度おこ患者さんには投与できなくなります。

点滴の時間はとくに時間の制限はありませんが、1時問半ほどかけてゆっくり投与することが多いです。併用する薬の代表例としては、乳ガンではハーセプチンとの併用が現在よく使われています。

肺ガンや卵巣ガンでは、カルボプラチンやプラトシンといった白金製剤、胃ガンでは単独で、頭頚部のガンではやはり白金製剤などで5-FUと併用されることが多いです。

投与中の日常生活

入浴でとくに気をつけることはありません。ただし、タキソテールは投与したときに血管から漏れると、血管の周囲に炎症をおこします。そのようなときには、あまり温めないほうがよい場合があります。

白血球減少が比較的少ないので、食事にはそれほど気をつける必要はありません。飲酒や喫煙も、とくに制限はありません。
手足のしびれなどの神経障害がくることがありますので、階段の上り下りやはげしい運動をするときには気をつけましょう。また串の運転でも、手足の先がしびれていますので、細かい作業をするような串の運転は避けたほうがいいことがあります。

タキソール(一般名:パクリタキセル)

最も注目され開発されるタキサン系統の薬剤

製造・販売元
ブリストル製薬株式会社
対象患者
  • 卵巣ガン
  • 非小細胞ガン
  • 乳ガン
  • 胃ガン
用法
静脈内に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は3時間。
有効率
26.6%(白金製剤不応・再発側の卵巣ガン)36%(手術不能・前化学療法のない非小細胞ガン)32.9%(進行・再発乳ガン)23.4%(進行・再発胃ガン)
副作用
  • 末梢神経障害
  • 関節痛
  • 悪心li>
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 口内炎
  • 脱毛
  • 発熱
禁忌
48,672円~146,016円
禁忌
  • 重篤な骨髄抑制のある患者
  • 感染症を合併している患者
  • タキソールまたはポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤
  • 妊婦または妊娠している可能性のある患者

タキソールの紹介

タキソールは、卵巣ガンや肺ガン、乳ガン、胃ガンといった代表的な疾患に有効性が高く、そのほかに頭頸部腫瘍などの原発不明ガンにも有効例が多い薬の1つです。一般にはこの薬だけで使うことは少なく、プラトシンやカルボプラチンなどの白金製剤と併用する薬の1つです。

副作用が少なく、外来でも投与できる

ダウノルビシンやアドリアシン、イダルビシンなどといった強力な抗がん剤にくらべると、タキソールは副作用が比較的少なく、外来でも投与できる利点があります。そのため、乳ガンや肺がんの患者さんで入院治療を好まない方、またどうしても外来で治療したいという方に、使われている場合が多い薬です

タキソールは薬をつくる際の原料、もしくはタキソールがとけているひまし抽に対するアレルギーがおこることがあります。そのため1回目の投与のときには一般に1~2日、短期間の入院をします。入院しない場合は、投与前にアレルギーを防ぐ薬を投与してからタキソールを投与することが勧められています。

レスタミンやデカドロン、ザンタックを投与します。タキソールは一般には、アンスラサイクリンという薬や、白金製剤などに有効性が認められなかった場合、もしくは有効性が認められたけれども再発をしたような乳ガンや卵巣ガン、胃ガン、肺ガンに有効とされています。

最初の治療からタキソールを使うことは非常に少ないのですが、嘔吐や脱毛が非常に強く出る薬を嫌う方には、タキソールはお勧めです。ただしタキソールの系統の薬では全て、末梢神経障害がみられます。キーボードを打つことが多かったり、芸術関係の仕事をされていたりなど、指を非常によく使う仕事についている方には、あまりお勧めできません。残念ながらコストが高いのが現状です。1回の投与で数万円かかります。

消化管の手術をしたあとや、感染症を合併している患者さんにタキソールを使うと、副作用が強く出る場合があります。またとけている溶剤に対して過敏症が出る場合があります。タキソールは現在、3週間おきのプロトコルが保険で認められています。

毎週投与すると、使う量を約3分の1に節約できるだけでなく、有効率が10~20% 高くなり、副作用が少なくなるということが分かっています。保険ではまだ完全には認められていませんが、毎週投与する治療が今後多くなっていくのではないかと思います。

投与中の日常生活

末梢神経障害が出ますので、ぬれている床や階段などは注意しましょう。また運転の細かい作業には注意しましょう。比較的便秘になりやすいので、食事は消化の悪いものには気をつけましょう。便秘の場合は飲酒にも気をつけましょう。喫煙や日光については、とくに気をつけることはありません。

ダカルバジン(一般名:ダカルバジン)

ホジキリンパ腫もようやく2002年に保険承認

製造・販売元
協和発酵工業株式会社
対象患者
  • 悪性黒色腫
  • ホジキリンパ腫
用法
静脈内に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は3~5時間
有効率
24.2%(悪性黒色腫)
副作用
  • 貧血
  • 白血球減少
  • 血小板減少
  • AST(GOT)・ALT(GPT)、Al-P・LDH総ビリルビンの上昇
  • 光線過敏症
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 胃痛
  • ふらつき
  • 蕁麻疹
  • 脱毛
  • 静脈炎
  • 血管痛
コスト
31,062円
禁忌
  • ダカルバジンの成分に対して重篤な過敏症の既往歴がある患者
  • 妊婦または妊娠の可能性のある人

ダカルバジンの紹介

ダカルバジンは、欧米では20年以上前から使用されていました。日本では、悪性黒色腫で保険が承認されていましたが、ホジキンリンパ腫でも2002年3月から承認されました。

できるだけゆっくり点滴することが必要

ダカルバジンは静脈内に点滴注射をするときに、非常にゆっくり点滴をすることが必要です。

量によってもことなりますが、血管痛やアレルギーが多いために、ゆっくり点滴しないと患者さんが血管を痛がるからです。できるだけゆっくり点滴したほうが効果も高く、副作用も少ないことが知られています。およそ3~5時問程度の時間をかけて行うのが一般的です。

ホジキンリンパ腫では標準治療として必ず用いられる薬で、8回投与を行って治療するというのが全世界的に一般的になっています。ただし最近では、若い女性にこの薬を投与すると、20年以上にわたって不妊症になりやすいということが知られてきています。そのため、この薬による8コースの治療を、最近では4コースにしようという動きもアメリカではみられています。

しかしまだ、それが標準化されているわけではありません。ダカルバジンは、ホジキンリンパ腫では標準治療、また悪性黒色腫でも、3剤のうちの標準治療薬として用いられており、必ずこの薬が使われるということになります。

併用する薬の代表例としては、悪性黒色腫の場合には、このダカルバジンのほかに、アドリアシンといった薬、ホジキンリンパ腫では、アドリアシンとブレオマイシン、フィルデシンといった薬で四剤を用いるのが一般的です。将来の見通しとしては、ダカルバジンはまだ標準治療として用いられていますので、十分長い問、将来にわたっても使われることになると思います。

投与中の日常生活

白血球が減少している場合には、入浴をひかえシャワーだけにしたほうがよい場合があります。また、投与直後にふらつくことがあるので、入浴時には注意しましょう。白血球が減少している場合には、食事は生野菜などの細菌がついている可能性があるものや、納豆やヨーグルトといった生菌の含まれているものは避け、加熱したものを食べたほうがよいでしょう。

紫外線にあたると、投与したときに血管痛やアレルギーがおこります。

また、投与後に患者さんの体に紫外線が当たると、光線過敏症がおこることがあるので、注意が必要です。さらに、点滴をした場所の血管が痛むことがあるので、注意しましょう。運転に関する制限はありません。ダカルバジンの投与中は、肺に負担がかかります。問質性肺炎や肺の線維症といった、肺の中が少し固くなるような副作用があとになっておきる場合きつえんがあります。そのため、喫煙は控えたほうがよいといわれています。運動に関する制限はありません。

スタラシド(一般名:シタラビン オクホスファート)

白血病、骨髄異形成症候群など、老人例に有効

製造・販売元
日本化薬株式会社
対象患者
    • 成人性リンパ性白血病
    • 骨髄異形成症候群
用法
カプセルを服用する
有効率
20.8%(急性リンパ性白血病)、28.9%(骨髄異形成症候群)
副作用
  • 血小板減少
  • 食欲不振
  • 悪心
  • 嘔吐
  • ヘモグロビン減少
  • 赤血球減少
  • 発熱
  • AST(GOT上昇
  • alt(GPT上昇)
  • 倦怠感
  • LDH上昇
コスト
534,3円
禁忌
スタラシドに対して重篤な過敏症の既往歴のある患者。

スタラシドの紹介

スタラシドは、日本にしかない薬です。カプセルで飲める量がかぎられているので、1回の投与量は非常に少なく、長期間にわたって、一般には数週問から月単位で服用しないと効果が出てきません。強い治療を希望されない方、とくにキロサイドなどの注射などひかくができない方などで、比較的よく使われる経口薬の1つです。

副作用が非常に少ない

スタラシドはまだ日本にしかない薬ですので、世界的に認められているわけではありません。スタラシドは、キロサイドという薬の誘導体です。キロサイドは点滴または注射でしか効果がありませんが、スタラシドは経口薬として使われるようになりました。
現在、成人の急性非リンパ性白血病、骨髄異形成症候群という前白血病状態で保険が承認されています。非常にゆるやかに効くので、副作用が非常に少ないことがスタラシドの長所です。
一方、効果が弱いので、非常にはげしい病気には全く無効であるということが短所になります。

ペラゾリンという薬が悪性リンパ腫などにまれに使われることがありますが、スタラシドとベラゾリンをいっしょに使うと、副作用が強く出て消化管出血をおこすことがあります。

ただし一般には、両方の薬をいっしょに使うことはありません。スタラシドとは、ベスタチンが併用される場合があります。また現在はまだ使われていませんが、分子標的薬のグリペックと併用すると、慢性骨髄性白血病で非常に有効である可能性が高いと考えられています。

投与中の日常生活

入浴については、とくに気をつけることはありません。食事については、できるだけ刺激性の少ないものを食べげりましょう。人によって、まれに下痢や食欲不振がおきることがあるからです。運動や車の運転、飲酒、喫煙などは気をつけることはありません。

キロサイド(一般名:シタラビン)

白血病の特効薬として、また今後リンパ腫にも

製造・販売元
日本新薬株式会社
対象患者
  • 急性白血病
  • 消化器ガン
  • 肺ガン
  • 乳ガン
  • 女性器ガン
  • 膀胱腫瘍
用法
静脈内に点滴投与、またはワンショットで投与する。1回の点滴に要する時間は30分~1時間程度。膀胱腫瘍の場合は、膀胱内に注入する。
有効率
60.7%(急性白血病)、39.2%(消化器ガン)、72.7%(女性器ガン)、30.6%(膀胱腫瘍)など
副作用
  • 悪心
  • 食欲不振
  • 膀胱内注入の場合、白血球減少、膀胱刺激症状
コスト
4,125円
禁忌
キロサイドに対する重篤な過敏症の既往歴のある患者。

キロサイドの紹介

キロサイドは最も古くから使われている薬の1つで、1940年代から使用されています。急性白血病や肺ガン対して、代表的な薬の1つとして知られています。現在も中心的な薬の1つです。

急性白血病など60%の有効率

キロサイドは、静脈内に点滴投与またはワンショット(1回)で投与します。アメリカでは早くから認められていた、中等度もしくは大量の投与が、最近日本でも認められるようになり、有効率が高くなってきました。

とくに急性白血病や悪性リンパ腫では、60%以上の有効率を示します。

主な副作用としては、悪心、嘔吐などがあります。キロサイドを高濃度に入れますと、中枢神経系、とくに脳脊髄液中に約1% から0.1% 、キロサイドが分布することによって、嘔吐が強く出たりします。

一方で、頭の中にもキロサイドが行きますので、頭の中に病気がある場合でも効果があることがあります。また刺激性が比較的少ないので、脳脊髄液の中に直接、少量の薬を入れる場合があります。これは「髄腔内投与」といいます。

比較的コントロールしやすい薬

キロサイドは、点滴や注射をすると、すぐに血中濃度が上がるという利点があります。逆にいうと、ワンショットもしくは短時問で点滴した場合には、非常に短い時問で血中濃度が高くなります。濃度が低くなるのも早いです。

逆に24時問持続点滴をしますと、非常に長く有効性が保たれます。比較的コントロールがしやすい薬です。キロサイドは、ほかの薬と組み合わせることによって非常に効果を発揮します。併用する薬の代表例としては、急性白血病ではイダルビシンやダウノルビシン、急性リンパ性自血痛では、アドリアシン、リンパ腫では、プラトシンといった白金製剤といっしょに使われます。

血中に投与するものとしては、キロサイドは将来的にもこのまま残っていくでしょう。経口薬としては、スタラシドという薬がQOLを改善するためしに開発されています。また、脂肪にとける形にしたものが現在開発中です。
これは中枢神経に転移したガンや白血病に対して、有効率が非常に高くなっています。現在注目されている薬の1つで、デポサイトとよばれています。
投与中の日常生活
キロサイドの投与中、ほとんどの場合は入院生活をします。外来で点滴をする場合には、約2週間後に白血球減少が非常に強く出ますので、一般には食物や入浴などの制限があります。感染症に気をつけましょう。膀胱内注入の場合には、膀胱刺激症状がありますので、その後出血性膀胱炎や、膀胱炎の症状が出ることがあります。

カンプト・トポテシン(一般名:塩酸イリノテカン)

日本発信の薬剤

製造・販売元
株式会社ヤクルト本社/第一製薬株式会社
対象患者
  • 小細胞ガン
  • 非小細胞ガン
  • 子宮頸ガン
  • 卵巣ガン
  • 胃ガン
  • 結腸・直腸ガン
  • 乳ガン
  • 悪性リンパ腫
用法
静脈内に点滴注射する。1回の点滴に要する時間は90分以上または60分以上
有効率
34.3%(非小細胞ガン)23.6%(子宮頸ガン)23.1%(卵巣ガン)など
副作用
  • 白血球減少
  • ヘモグロビン減少
  • 血小板減少
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 腹痛
  • 脱毛
コスト
43,234円
禁忌
  • 骨髄機能抑制のある患者
  • 感染症を合併している患者
  • 下痢のある患者
  • 腸管麻痺、腸閉塞のある患者
  • 間質性肺炎または、肺線維症の患者
  • 多量の腹水、胸水のある患者
  • 黄疸がある患者
  • この薬に対して過敏症のある患者

カンプト/トポテシンの紹介

この薬は日本で開発された薬ですが、現在では日本よりもアメリカでたくさん使われています。肺ガンや胃ガン、大腸ガン、乳ガン、リンパ腫などに使われています。現在最も使われているガンとしては、肺ガンと大腸ガンが知られています。そのほかに、乳ガンや悪性リンパ腫が再発した例で、この薬を少量使うと効果があるということが分かってきました。

問題になる副作用は下痢と吐き気

現在、日本では150mg/m2という量で、保険が承認されていますが、そちよりも少ない量で治療されている場合もあります。この薬の臨床試験は、はじめて治療する例に使用されたのではなく、1回目の治療が効かなかった例に対して行われました。

そのため、はじめからこの薬を使うということは非常に少ないようです。この薬の有効率は、最も有効な例で30%前後です。いちばん問題になる副作用は、下痢、吐き気です。そのほかに、くり返し投与すると骨髄抑制がおきて白血球減少や貧血、血小板減少がみられます。

下痢、悪心、嘔吐は非常に強い例がまれにあります。標準治療をくり返し行うと、そういうものが多くなってくることがあります。下痢や悪心、嘔吐が出る患者さん、また腸管に麻痺がある患者さんの場合には、この薬を使用することはできません。この薬が腸に出て、その後肝臓に戻りますが、腸管麻痺があるとそれができないため、薬がいつまでも効いてしまうからです。

少量なら長期間投与可能

この薬は比較的短時間で点滴をして注射が行えること、また量が少ない場合には長い間投与することができるという長所があります。併用する薬の代表例としては、アメリカでは大腸がんの場合には5-FU 、ロイコオリンなどといっしょに使うことが標準療法になっています。乳がんでは単剤、亜心性リンパ腫でもおおよそ単剤で使われることが多いです。
将来の見通しですが、この薬は、この1剤では30%程度しか有効率がありません。しかし、長く使用できるということ、また少量ならば副作用が少ないということから、少量での治療や、5-FU、ロイコポリンとの併用について、今後試験が行われていくことになると思います。

投与中の日常生活

日常生活の注意点として、白血球減少がきた場合や、下痢、悪心が強い場合には、入浴はあまり勧められません。食事に関しても、下痢、悪心、嘔吐が強い場合には、制限をする場合があります。運動は貧血がなければとくに問題ありません。
この薬は心臓や肺に負担がかかる薬ではないからです。車の運転や喫煙は問題ありませんが、飲酒をすると下痢、悪心、嘔吐が強くなる場合があります。

オンコビン(一般名:硫酸ビンクリスチン)

現在も有効なリンパ系腫瘍の薬剤

製造・販売元
塩野義製薬株式会社
対象患者
  • 白血病(慢性白血病、慢性白血病の急性転化時を含む)
  • 悪性リンパ腫
  • 小児腫瘍(神経芽腫、ウィルス腫瘍、横紋金肉腫、睾丸胎児性ガン、血管肉腫など)
用法
静脈内にゆっくり点滴注射する
有効率
36.2%(成人の急性白血病)、61.9%(小児の急性白血病)、73.2%(悪性リンパ腫)60.9%(小児腫瘍)
副作用
  • しびれ感
  • 脱毛
  • 下肢深部反射減弱
  • 消失
  • 倦怠感
  • 四肢疼痛
  • 筋萎縮
  • めまい
  • 排尿困難
コスト
7824円
禁忌
オンコビンの成分に対して重篤な過敏性の既往歴がある患者。脱随性シャルコー・マリー・トゥースの患者。髄腔内には投与してはいけない

オンコビンの紹介

オンコピンは、リンパ腫や急性リンパ性白血病、慢性白血病などに使われる最も古い治療薬で、小児腫瘍にも使われています。

オンコピンは、非常に有効性が高いというのが利点です。一方で、しびれ感や末梢神経障害、四肢の疼痛や筋の萎縮などが必ずおきます。これらは軽度であろうが、ほとんどの方に必ず出る症状です。

投与する頻度に注意する

オンコピンは、1週間に1回というのが、最も多く用いられる場合の頻度です。一般には、毎日投与することは絶対にあってはいけない薬です。

オンコピンは神経障害をおこす薬ですので、毎日投与すると末梢神経障害が強く出るだけではなく、消化管の麻痔をおこしたりします。使用頻度には、必ず気をつけなければなりません。とくに老人や非常に若い方では、効果はあるのですが障害が強く出ることがあります。症状をみながら使っていくことになります。

きわめて安全に使われる

オンコピンはこの薬だけでも有効ですが、機序のちがう薬をできるだけいっしょに使ったほうが、有効性が高くなります。悪性リンパ腫では「CHOP療法」で、世界的に最も有名な薬の組み合わせの1つとして使われています。

オンコピンの有効性が最も出る方法の1つです。小児腫瘍では、そのほかにラステットやプラトシンなどといっしょに使われることが多いです。肉腫や神経芽細胞腫、骨肉腫といったまれな疾患でも使われますし、白血病やリンパ腫にも使われています。

白血球減少もほとんどみられませんので、きわめて安全に使われる薬です。ただし点滴中に血管から漏れると、血管の壊死や静脈炎をおこしますので注意が必要です。

また、髄腔内に投与すると非常に強い脊髄麻痺がおきますので、絶対に投与してはいけません。もちろんこれは薬の副作用もしくは禁忌項目に書いてあります。

しかし何年かに一度、このような事故がおきますので、気をつけなければなりません。オンコピンには、経口薬を開発していこうという動きがあります。また白血球球減少が比較的少なく、外来でも治療しやすいことから、がんの種類を広げて開発を進める動きもあります。
投与中の日常生活
神経障害が強いので、足の裏や手先のしびれ、筋力の低下などがみられます。滑ったり転んだりしやすくなりますから、入浴するとき、床がぬれているような場合に気をつける必要があります。食事については、全く気をつけることはありません。
車の運転や運動については、とくに気をつけることはありませんが、しびれが最も強い薬なので、細かい作業には向いていません。飲酒や喫煙については、気をつけることはありません。