月別アーカイブ: 2017年7月

アルケラン(一般名:メルファラン)

造血幹細胞移植等の前処置薬として活躍

製造・販売元
グラクソ・スミスクライン株式会社
対象患者
  • 白血病
  • 悪性リンパ腫
  • 多発性骨髄種
  • 小児固形腫瘍における造血幹細胞移植等の前処置
用法
静脈内にゆっくり時間をかけて点滴注射する。経口薬もあり
有効率
成人(46.2%)、小児(60%)
副作用
  • 下痢
  • 口内炎
  • 粘膜炎
  • 悪心
  • 嘔吐
  • AST(GOT)、ALT(GPT)上昇
  • 肝機能障害
コスト
10487円
禁忌
  • 重症感染症を合併している患者
  • アルケランの成分に対して過敏症の既往歴のある患者

アルケランの紹介

アルケランは白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの病気、あるいは小児の固形腫瘍で移植の前に前処置として用いられます。

小児の細胞移植の成績がよくなった

経口薬では5日間しか投与しません。静脈内に点滴で投与する場合には、移植の前にしか用いないことが多いです。経口薬は以前から存在していましたが、静脈注射の薬は2001年に認められました。

副作用は、大量に投与されたときの下痢や口内炎、消化器症状が主で、吐き気や嘔吐が出ることがあります。まれに肝障害がおきることがあります。

重症の感染症を合併していたり、アルケランに対して過敏症がある場合には投与することができません。この薬が利用されるようになって、小児の細胞移植の成績がきわめて良くなりました。最近では、アルケランがないと小児の細胞移植ができないほど有名な薬になりました。

投与中の日常生活

アルケランが造血幹細胞移植のときの前処置として使われる場合には、アルケランを使う前に消毒薬を入れて入浴し、無菌室に入ります。無菌室に入ったあとは、シャワーだけになります。

食事も無菌食、もしくはそれに準じた食事になります。アルケランと日光との関係についてのデータはありません。しかし、ほかの薬を併用していることが多く、併用ししている薬によっては紫外線による皮膚障害が出ることがあるので、その場合は日光にあたることはできません。
無菌室に入ることが多いので、車の運転、飲酒や喫煙はできなくなります。

アドリアシン(一般名:塩酸ドキソルビシン)

最もよく使われる抗ガン剤の1つ

製造・販売元
協和発酵株式会社
対象患者
  • 悪性リンパ腫(細網肉腫、リンパ肉腫、ホジキンリンパ種)
  • 肺ガン
  • 消化器ガン(胃ガン、胆嚢・胆管ガン、すい臓ガン、肝ガン、結腸ガン、直腸ガン)
  • 乳ガン
  • 膀胱腫瘍
  • 骨肉腫
用法
  • 静脈内にワンショット投与する。
  • 膀胱腫瘍では膀胱内に注入する。
  • 有効率
    46.7%(リンパ肉腫)50.0%(乳ガン)、59.3%(膀胱腫瘍など)
    副作用
    • 脱毛
    • 白血球減少
    • 悪心
    • 嘔吐
    • 食欲不振
    • 口内炎
    • 血小板減少
    • 貧血
    • 赤血球減少
    • 心電図異常
    • 心筋障害(心不全)
    • 貧血
    • 出血

    • ショックなど
    コスト
    5630円
    禁忌
    • 心機能異常またはその既往歴のある患者
    • アドリアシンの成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

    アドリアシンの紹介

    アドリアシンは抗ガン剤の中でも、最も広く使われているものの1つです。悪性リンパ腫や肺ガン、消化器ガン、肝臓ガン、膀胱腫瘍、骨肉腫、乳ガンなど、たくさんの病気に保険の適用が認められています。アドリアシンは、単剤でも最も有効率の高いものの1つですが、単剤で投与することは少なくなっています。

    他の薬との併用が多い

    乳ガンでは、エンドキサン、5-FUとの3剤併用、悪性リンパ腫では、CHOP療法が標準治療になっています。CHOP療法は、アドリアシンのほかに、オンコピンやエンドキサンやプレドニンといった、4つの薬を併用する治療法です。

    現在では多くの薬剤が、アドリアシンを使った場合をコントロール群と比較試験に用いるくらい有名な薬です。抗ガン剤を開発するときに、アドリアシン単剤とくらべて現在開発中の薬がさらによく効くかどうかということを検討する基準になるというくらい有名な薬剤です。

    投与前に心機能検査が必要

    静脈内に注射で投与することが多いのですが、ゆっくり投与しないとアメリカ人や肥満の方では心筋梗塞をおこした例が報告されています。また心毒性がありますので、投与する前に必ず心機能に異常がないかどうか検査しなければいけません。

    たとえば、心臓の超音波検査や心筋シンチグラフなどの心臓機能検査を受けてから、アドリアシンを投与できるかどうかを決定することが多いようです。膀胱内への注入では、膀胱ガンの部分にこの薬を投与しますと、腫瘍が、壊死をおこします。そのために、膀胱の刺激症状をおこしたり、残尿感などの副作用がおこります。アドリアシンの副作用には、非常に強い脱毛と吐き気があるので、必ず投せ与前には制吐剤(吐き気止め)を投与します。

    投与中の日常生活

    アドリアシンは、脱毛や白血球減少、悪心、嘔吐といった副作用が非常に強いので、入浴はひかえめにしましょう。食事では、粘膜を刺激するような辛いものや塩分の多いもの、熱いものはとらないほうが良いでしょう。

    アドリアシンを投与中は、悪心や嘔吐が強くでるので、飲酒もさけたほうが良いでしょう。アドリアシンを投与中に日光に当たると、脱毛につづく皮膚の障害が強くでることがあるので、日光にも当たらないほうが良いでしょう。

    さらに、心機能異常がでるので、投与中は強い運動をしないほうが無難です。歩くときもゆっくり歩くように心がけましょう。車の運転にはとくに差し支えありません。