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ヒスロンH (一般名: 酢酸メロキシプロゲステロン )

ヒスロンH は最も多く使われているホルモン製剤のひとつ

製造・販売元
ファルマシア株式会社
対象患者
  • 乳ガン
  • 子宮体ガン(内膜ガン)
用法
錠剤を服用する。
有効率
33.2%(乳ガン)、23.6%(子宮体ガン)
副作用
  • 血栓症(脳梗塞、心筋梗塞、肺塞症、腸間膜血栓症、網膜血栓症、血栓性静脈炎など)
コスト
386,1円
禁忌
手術後1週間以内。脳梗塞や血栓静脈炎などの血栓疾患、または既往歴がある。心臓弁膜症・心房細胞・心内膜炎・重篤な心不全の心疾患がある。ホルモン剤を投与されている。妊婦または、妊娠の可能性のある。 ヒスロンH に対して過敏症がある。診断未確定の性器出血、乳房病変のある患者。重篤な肝障害がある。

薬剤名の紹介

ヒスロンH は、乳ガンや子宮ガンのホルモン療法として非常によく使われている薬です。

転移予防もしくは再発予防に使われる

まれに投与中に体重が増えて脂肪肝になったり、血液が増えて多血症になたりして、血栓症をおこすことがあります。血栓性静脈炎や、女性のピルを服用したときに認められるような副作用がありますので注意が必要です。

あまりに脂肪肝が強くなったり、体重が増えたり、血栓症が多い場合には、この薬の使用を中止します。

ヒスロンH は主に、単独で転移予防もしくは手術後の再発予防に使われます。一般的には2年から5年以上、長期にわたって投与することが多いようです。最近では ヒスロンH のほかに、種々の酵素阻害剤を併用する場合があります。

投与中の日常生活

食物に関する制限はありません。ただし、一般にホルモン療法を行っているときには食欲がでます。また、食欲がでない場合でも、栄養の吸収が20~30% よくなり、体重が増えます。したがって、カロリーを制限し、食事量を減らしたほうがよいでしょう。
まれにコレステロールが高くなることがあるので、食事療法が必要になります。脂肪がつきやすくなるので、できるだけ運動したほうがよいでしょう。日光、喫煙・飲酒に関する制限はありません。

ノルバデックス(一般名:クエン酸タキモキシフェン)

世界で最も使われているホルモン剤の1つ

製造・販売元
アストラゼネカ株式会社
対象患者
乳ガン
用法
錠剤を服用
有効率
26.4%(再発率減少)、14.5%(死亡率減少)、43.9%(進行・再発乳ガン)
副作用
  • 無月経
  • 月経異常
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 食欲不振
928,4円
テキスト
禁忌
妊婦または、妊娠している可能性がある。ノルバッデクスの成分に対して過敏症の既往歴がある。

薬剤名の紹介

ノルバデックスは、世界で最も使われている、乳ガン対するホルモン療法剤の1つです。注射するときに、「LH・RH」というホルモンを抑制する、「LH・RHアゴニスト」という薬をいっしょに使うことがあります。

錠剤を長期間にわたって服用する

錠剤を5年以上服用することで、再発率が低下することが証明されている薬の1つです。アリミデックスとくらべると、5年間服用した場合の成績では五% ほど低くなっていますが、10年以上にわたり成績が出ている薬としてはノルバデックスしかありませんので、まだ長期にわたって使われています。一方で、卵巣がんや子宮がんの率が高くなることがあります。
患者さんによっては長く投与していますと、5年たちましたからやめましょうといったときに、不安になってやめられないという方がおられます。ただしつづけたからといって、10年後の再発率が低下するという証拠はまだありません。

もっと長期に使う利点があるかどうかについては、もう少ししないとまだ分かりません。おそらく2~3年以内に、10年間での再発率が出ることになるでしょう。

長く投与していると、無月経や月経異常のために更年期障害のような症状がでることがあります。副作用としては、食欲不振や悪心などもあります。

逆に食欲が出たり、脂肪肝になってしまう場合もありますので、生活習慣病の率が高くなることがあります。そのあたりのこともよく理解していただいたうえで、長期間の服用を勧めることになります。世界中で乳ガンは現在、どんどんふえています。それに応じてノルバデックスも将来的に使われていくことになるでしょう。

投与中の日常生活

入浴については、とくに気をつけることはありません。食事については症状によりますが、悪心、嘔吐、食欲不振がない方では、食欲がかえって増して、太る場合があります。脂肪肝になることがありますので、できるだけ運動するようにしましょう。車の運転では、とくに気をつけることはありません。吸収が良くなっているので、多く飲酒すると脂肪肝が強く出ることがあります。