悪性リンパ腫」タグアーカイブ

イホマイド(一般名:イホスファミド)

肺ガン、移植などに広く使われている薬

製造・販売元
塩野義製薬株式会社
対象患者
  • 小細胞肺ガン
  • 前立腺ガン
  • 子宮頸ガン
  • 骨肉腫
  • 悪性リンパ腫
用法
静脈内に点滴注射する。24時間点滴を持続して行う。
有効率
42.4%(小細胞ガン)、24.1%(前立腺ガン)、22.2%(子宮頸ガン)、9.5%(骨肉腫)
副作用
  • 食欲不振
  • 悪心
  • 白血球減少
  • 出血性膀胱炎
  • 排尿障害など
コスト
4499円
禁忌
ペストスタンチン投与中の患者。イホマイドの成分に対し、重篤な過敏症の既往歴がある患者。腎臓または膀胱に重篤な障害がある患者

イホマイドの紹介

イホマイドは、保険が適応されている小細胞ガンや前立腺ガンなどの疾患以外に、骨髄移植にも用いられることがあります。

エンドキサンと構造が似ている

イホマイドはアルキル化剤として多くのガンに有効です。一方で、量が多く必要で、また多く投与すると出血性膀胱炎をきたしやすいという欠点があります。

イホマイドは、エンドキサンという薬と構造が非常に似ています。そのためエンドキサンと同じように、出血性膀胱炎がおきやすくなります。ただし最近では、イホマイドもしくはエンドキサンの投与中に出血性膀胱炎を防ぐメスナという薬も出てきていますので、それほど心配せずに使っても良いと思います。

2~3剤の薬の併用療法が一般的

イホマイドが単剤で用いられることは少なく、一般にはラステットやメソトレキセート、アルケランなど、ほかの強力な薬といっしょに用います。

イホマイドを併用療法として使う治療の中で、「ICE療法」という治療があります。イホマイドとカルボプラチン、ラステットという3つの薬を使うために、頭文字をとって「ICE療法」と略してよんでいます。

このように3つくらいの薬の併用療法というのが一般的です。骨髄移植の場合にも、一般にはイホマイドとラステットを使うというふうに、2剤もしくは3剤をいっしょに使うことが多いです。最近は末梢血幹細胞移植などの移植が増加していますので、イホマイドはエンドキサンと並んで、今後さらに使用が増加すると考えられます。

投与中の日常生活

入浴については、とくに気をつけることはありません。食事や運動についても、とくに気をつけることはありまきつえんせん。車の運転、飲酒、喫煙についても同様です。

むしろ投与中は、尿の色に気をつけましょう。出血性膀胱炎がひどくおきることがありますので、血尿が出た場合にはただちに投与を控えるか、投与されておきた場合には、緊急に医師に知らせる必要があります。

アルケラン(一般名:メルファラン)

造血幹細胞移植等の前処置薬として活躍

製造・販売元
グラクソ・スミスクライン株式会社
対象患者
  • 白血病
  • 悪性リンパ腫
  • 多発性骨髄種
  • 小児固形腫瘍における造血幹細胞移植等の前処置
用法
静脈内にゆっくり時間をかけて点滴注射する。経口薬もあり
有効率
成人(46.2%)、小児(60%)
副作用
  • 下痢
  • 口内炎
  • 粘膜炎
  • 悪心
  • 嘔吐
  • AST(GOT)、ALT(GPT)上昇
  • 肝機能障害
コスト
10487円
禁忌
  • 重症感染症を合併している患者
  • アルケランの成分に対して過敏症の既往歴のある患者

アルケランの紹介

アルケランは白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの病気、あるいは小児の固形腫瘍で移植の前に前処置として用いられます。

小児の細胞移植の成績がよくなった

経口薬では5日間しか投与しません。静脈内に点滴で投与する場合には、移植の前にしか用いないことが多いです。経口薬は以前から存在していましたが、静脈注射の薬は2001年に認められました。

副作用は、大量に投与されたときの下痢や口内炎、消化器症状が主で、吐き気や嘔吐が出ることがあります。まれに肝障害がおきることがあります。

重症の感染症を合併していたり、アルケランに対して過敏症がある場合には投与することができません。この薬が利用されるようになって、小児の細胞移植の成績がきわめて良くなりました。最近では、アルケランがないと小児の細胞移植ができないほど有名な薬になりました。

投与中の日常生活

アルケランが造血幹細胞移植のときの前処置として使われる場合には、アルケランを使う前に消毒薬を入れて入浴し、無菌室に入ります。無菌室に入ったあとは、シャワーだけになります。

食事も無菌食、もしくはそれに準じた食事になります。アルケランと日光との関係についてのデータはありません。しかし、ほかの薬を併用していることが多く、併用ししている薬によっては紫外線による皮膚障害が出ることがあるので、その場合は日光にあたることはできません。
無菌室に入ることが多いので、車の運転、飲酒や喫煙はできなくなります。