ナベルビン(一般名:酒石酸ビノレルビン)

ハーセプチンとの併用で効果大

製造・販売元
ピエール・ファーブル・メディカメン
輸入・発売元
協和発酵株式会社
対象患者
非小細胞ガン
用法
静脈内にゆっくり点滴注射する
有効率
27.4%
副作用
  • 赤血球減少
  • 白血球減少
  • 好中球減少などの骨髄機能抑制
  • 間質性肺炎
  • 肺水腫
  • 気管支痙攣
  • 麻痺性イレウス
コスト
20,891円
禁忌
  • 骨髄機能低下の著しい患者
  • 重篤な感染症を合併している患者
  • ナベルビンおよび他のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  • 髄腔内には投与してはならない

ナベルビンの紹介

ナベルビンは現在、非小細胞肺ガン患者に、乳ガン患者に保険適用されています。乳ガンについての臨床試験は、ナベルビン単剤、ハーセプチンという薬の併用によって、非常によい成漬を上げています。

心臓に負担をかけずに副作用が軽い

ナベルビンの特徴として、心臓に負担をかけないことや副作用が軽いといったことがあり、広く使われるようになりました。ナベルビンは、肺ガンでは単剤で用いる場合が多いのですが、乳ガンでは、ほかの薬と併用しています。

ナベルビンの長所は、白血球減少や心毒性が少ないことです。短所は、長まい間投与していると、麻痔性イレウスや神経障害などがおきる場合があることです。静脈内に点滴注射をする場合には、1回の点滴に要する時間はおよそ30分、もしくは一時問と非常に短時間ですみます。

あるいは点滴ではなく、ワンショット(1回)で静脈注射をして短時間で終わる場合が多いです。毎週もしくは3週間に1度程度の投与を行います。

禁忌については、髄腔内に投与しないというのが非常に重要な点になっています。ナベルビンではありませんが、類似の薬が髄腔内に投与されますと、完全な下半身麻痔をきたします。そういう意味では、たいへんな神経毒性が出てくる可能性がありますので、注意が必要です。

投与中の日常生活

入浴に関する制限はとくにありません。ただし、まれに神経障害がでることがありますので、浴室内で転ばないように注意しましょう。白血球が減少している場合には、入浴を軽くすませるか、シャワーだけにしたほうがよいでしょう。

食事は、生野菜などの細菌がついている可能性があるものや、納豆・ヨーグルトといった生菌の含まれているものは避け、加熱したものを食べたほうがよいでしょう。また、腸が動きにくくなる麻痔性イレウスという副作用がでることがあるので、食事量はひかえめにし、食べ過ぎに注意しましょう。

手先がしびれるなどの神経障害がみられることがあり、強い運動や細かい作業は行いにくくなるので、ひかえたほうがよいでしょう。

ただし、指先の運動をしたほうが神経障害が軽度ですみます。喫煙についてはとくに制限はありません。腸に負担のかかる薬なので、飲酒はひかえたほうがよいでしょう。日光に対する制限は、とくにありません。

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